【書籍】中沢新一/中川大地・編著ほか「ゲーム学の新時代 -遊戯の原理 AIの野生拡張するリアリティ」
題 名:「ゲーム学の新時代 遊戯の原理 AIの野生 拡張するリアリティ 単行本 – 」出版社
著 者:中沢新一/中川大地【編著】ほか
〈中沢新一〉1950年山梨県生まれ。明治大学研究・知財戦略機構特任教授。思想家、人類学者。
〈中川大地〉1974年東京都生まれ。明治大学野生の科学研究所研究員。
評論家、編集者。
本の種類:単行本・21cm/295p
出版社:NTT出版
発売日:2019/3/16
本著作は明治大学で開講された「ゲーム学」の立ち上げ人である中沢新一はじめ、東京工芸大学芸術学部ゲーム学科教授でゲームデザイナーの遠藤雅信、文筆家でPRANTS編集者の中川大地など国内ゲーム学の第一線を担う第一人者の共著である。
本著1章では1938年にホイジンガのホモ・ルーデンスで遊びが本格的な学問として定義された遊びの歴史的なエポックをはじめ、カイヨワの「遊びと人間」 https://references.theblog.me/posts/7361145 を紐解き
古典的定義によると
①ゲームとはルールに従って行われる結果の予測できない競走
②現実とは独立して存在するものである
と提唱されていたと述べ、第2章にて現代のポケモンGOのARを例にあげ遊びの面白さの質の変遷、定義の相違点について指摘していた。
また、著者のゲームクリエイターとして分析した近年のゲームの面白さの変遷について
・デジタルゲーム黎明期の特徴として、
より自由度の高く、プレイヤーのやりたいと思うことがやれるゲーム=面白い
・ゲームの種類が飽和後の現代の特徴として、
自分の心の中に決めたルールであえて挑戦ハードルを高める、適度な縛りがあるゲーム=面白い
例として、2017年発売のドラゴンクエストXⅠなど、ゲームに元々縛りの機能のあるゲームを紹介した。
また、細かくゲームの趣向についても定義しており
「RPGはやり方とプロセスを巡る遊び」-解法を知っていても面白いものである
「遊び(ゲーム)を布教するという楽しみ方、快楽。時には紹介ビジネスに発展すること」
など、現代のゲーム(遊び)独自の特徴に関して言及した。
0コメント